この記事ではブレインクリニック大阪院でQEEG検査を受診した検査結果や感想について書いています。赤裸々に書いていますので実際に発達障害かな?と悩んでいるかたの参考になれば幸いです。
QEEG検査は脳波を測定し視覚的に脳の状態見ることができる検査のことです。
僕は検査を受けADHD(注意欠如多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)の傾向があるとの診断を受けました。
またその際、TMS治療と呼ばれるものを勧められました。
QEEG検査ってなんか怪しい、ほんとに発達障害がわかるの?どんなことをされるの?
とわからないことだらけだと思いますので、クリニックの雰囲気や検査の流れ、料金についても詳しく書いていますのでぜひ参考にしてみてください。
QEEG検査の流れ
受付を済ませ問診票を記入
僕はQEEG検査の予約をしていたので受付で予約の確認をして、待合室で問診票を書きました。
問診票の中身としては
これらの質問に『まったくない』『ときどきある』『よくある』『いつもそうだ』などの評価に〇を付けていきます。
これらの質問はADHD・発達障害チェックとして、どのクリニックにも取り入れられています。
待合室の様子
待合室はとても広く、横長の椅子が何列もあり、とてもゆったりとできる空間でした。
僕は平日14時に検査予約をしたためか、人も少なかったです。(17時すぎの仕事終わりや、土日はもしかしたら多いのかも)
自由に飲めるウォーターサーバーや、発達障害などについての本なども置いてありました。
問診票を渡して、しばらくすると最初にもらった整理番号で呼ばれます。
どこのクリニックでもそうだとは思いますが、名前で呼ばれない配慮がしてあるので安心です。
QEEG検査の様子
待合室からQEEG検査の機械がある個室へ移動します。距離はすぐ近くにありました。
検査の流れや、思った感想を箇条書きで書いてみます。
- QEEG検査がどういったものか説明を受け、頭に電極がついた網状の帽子を装着されます。
- 水(ジェル)を含んだ丸いコットンを頭皮と電極の間に入れていきます。
- 水が垂れても大丈夫なように肩にタオルをかけ、垂れてきたときに拭くようのティッシュを渡されます。
- 検査の際、ビリビリした痛みや感覚はないことの説明を受けます。
- 電極とコットンが頭皮に触れるようにコームで髪をかき分けて位置を調整していきます。
- 検査が始まる際、部屋を少し暗くされ、リラックスするように言われます。
- 顔は前を向いた状態で、目線はひざの方へ落とし、ボーっと見るように言われます。
- 検査中、何度か電極の位置を調整されました。
- 検査中、部屋の外でBGM(ヒーリングミュージック)が流れていて少し気になりました。
- 検査自体は5分程度でした。
- 装着していた帽子を外し、髪が濡れるので、ドライヤーを使いますか?と聞かれました。
検査が終わり、一度 待合室で待機した後、カウンセラーに問診され、医師に診断してもらいます。
検査には頭に機械を装着するのでワックスなどの整髪料は付けないよう注意しましょう。
カウンセラーとの問診
QEEG検査が終わるとカウンセラーに問診を受けます。
なぜQEEG検査を受けようと思ったのか。
悩んでいる症状はどういったものか。
家族、パートナー、職場の同僚や上司は、その症状についてどう評価しているか。
日常や仕事の、どういった場面でその悩みを感じるのか、いつから感じているのか。
などなど聞かれます。
QEEG検査を受けようと思うまでには本人は相当な悩みや葛藤、ストレスがあったはずです。
診断にも反映されるものなので正直にわかる範囲で答えていきましょう。
カウンセラーは雰囲気がよく話しやすい印象でした。
僕がなぜQEEG検査を受けようと思ったのかは後述しようと思います。
医師からの診断
僕の実際の診断結果です。
1.標準データベースとの比較では
1~3段目までの脳波では注意散漫、集中力の低下、ぐるぐる思考がわかりADHD傾向にあるそうです。
4~6段目までの脳波では過緊張、ネガティブ思考、切り替えにくさがわかりASD傾向にあるそうです。
全体的に青から水色が出ており、脳の活動性が低下と書かれています。
2.シーター/ベータ比では
左は僕本人の脳波、真ん中は正常な人の脳波、右は比較した脳波
僕-(ひく)正常=(イコール)比較(違い)を見たものです。
違いの部分が白い範囲が広いほど正常に近い状態だそうです。
僕の場合、水色の範囲が広いですが、この状態は脳が混線している状態だそうです。
シナプスがうまく機能せず絡まっている状態らしいです。
3.振幅非対称では
脳の左右のパワーバランスがわかります。
僕は右側が赤や紫になっており、右脳のほうが働きが強いようです。
こういった人は感受性が豊かであるがために、気分の浮き沈みにもつながるそうです。
4.コヒーレンスでは
情報処理がわかるようです。
ここでは、耳からの情報の理解が低いこと、記憶に残りづらいことがわかると言われました。
そして総評として、ADHD (注意欠如多動性障害)+ ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)の傾向があり、
それが二次性の気分障害(うつ状態)になっているとの診断結果でした。
一通り説明を受け、僕から医師に質問をしました。
ADHD+ASDとのことですが、それはどのくらいの度合い(強さ)なのでしょうか?
医師の回答として、僕の度合いはADHDとASDどちらも10段階中5~6程度だそう。
1~3までが正常な人(90%)、4~7までが発達障害グレーゾーンと呼ばれる人(5%)、8~10までが発達障害の人(5%)だそうです。
いわゆるグレーゾーンと呼ばれる人口比5%の人みたいです。だからADHD傾向、ASD傾向と書かれていたのか。
それと夜勤明けで2時間程度しか眠れていない状態ですが検査に影響はあるのでしょうか?
医師の回答として、寝ていようが、寝不足だろうが関係ない。いつ測定しても検査に影響はないようです。
医師からの診断が終わると、もう一度カウンセリングをして、希望すればTMSと呼ばれる治療法の説明を受けたり、今後の通院などの説明を受けることができます。
QEEG検査を受けた感想
僕は以前違うクリニックで知能検査やカウンセリングなどを受けていましたが、はっきりと診断はおりなかったので
今回、QEEG検査を受けADHD傾向とASD傾向があることがわかり、やっぱりそうなのかと妙にすっきりしたような
でも実際そういう診断を受けるとショックで、なんとも言えない気分でした。
でも自分にこういう傾向があって、こういうことが苦手だとわかり、それが自分のせいではなく脳の特性だということがわかっただけでも救われる部分や、これからの対処の仕方を考える元にできると前向きに捉えることにした。
QEEG検査は怪しい?
検査自体はまだまだ先進的な部分が大きく、検査の信憑性などに疑問は拭えませんでした。
それなりに検査件数や実績はもちろんあるとは思いますが、まだまだクリニックで導入しているところは少ないですし、検査費用も高額なので、そもそも受ける母数が少ないように思えます。
これから、もし保険適用になって検査が受けやすくなって、母数が増えていくと検査自体の信憑性や、正常な人とグレーゾーンの人、発達障害の人の人口比も変わるかもしれませんし
どのクリニックで受けても、同じようなスキルの検査技師や医師がいるようになって、気軽に検査を信用して受けれる人が増えていければいいなと思いました。
治療の面でも最終的にには50~60万円近くするものを提示されます。
それ自体が悪いわけではありません。もちろんその治療で症状がよくなったと感じる方もいるわけですし。
大人の発達障害やグレーゾーンが話題になってきた現在だからこそ、保険適用になり、治療も受けやすくなり、実績が増えることが必要だと感じました。
まだまだ閉鎖感のある治療だからこそ、今の僕は簡単に治療しますと言えませんでした。
QEEG検査の費用
QEEG検査で15,300円と診察料で3,300円で18、600円(税込)でした。
保険適用外ですし、どこのクリニックでもやっているわけではないので料金は高かったです。
なかなか気軽に検査しようと思えない金額ですよね。
QEEG検査とは?
QEEG検査は脳の状態を視覚的に検査できるものです。
QEEGは、正式には”Quantitative Electroencephalography”といいます。
Quantitative:定量的 Electroencephalography:脳波
ですので、そのままの名称になっています。
そもそも人間は、脳の各部から以下のような周波数を出し続けています。
これらの脳波が、脳のどの位置から、どんなタイミングでどのくらい出ているのかを画像にすることで、脳の各部位が正常に機能しているかどうかを診断することができます。
従来の精神疾患領域では、医師による問診がメインで、診断基準は医師の経験値や主観に任せるしかありませんでした。QEEG検査は医師の主観に頼らず、可視化されたデータを元に客観的な診断が可能です。
ADHDやASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)を疑っている方に対して、一般の方の脳の状態と比較し、どういった違いがあるのかを視覚的に説明することができます。
精神疾患領域における脳のMRI検査のようなイメージです。
BRAIN CLINIC ホームページより引用
この記事を読んでいる方は、人との違いに悩んでいる方だと思いますし、事前にQEEG検査について調べているかと思いますので詳しくは割愛させていただきます。
詳しい内容については上記の引用先BRAIN CLINICのホームページに書いてあるので参考にされてみてください。
TMS治療
TMS治療とは?
QEEG検査でADHD傾向とASD傾向があると診断された後、TMS治療を勧められました。
どのような治療かというと、頭の側頭部こめかみ辺りにコイルで磁気を当て、大脳皮質に過電流が生じてニューロンを刺激するというもの。
僕が診断で混線していると言われたところがTMS治療によって混線が改善していきADHD傾向やASD傾向が改善していくのだそう。
医師やカウンセラーの方には絡まっているコンセントの線をひとつひとつ解いていくようなイメージと説明を受けました。
ADHDやASDの方への治療だけではなく、睡眠障害や、不安障害、摂食障害、こだわり・考えすぎに対してなど治療範囲は多岐にわたります。
1回16分の治療で、1日に最大2回32分まで治療可能だそうで、治療回数としては個人差はありますが一般的に16回治療くらいまでは良くなったり悪くなったりを繰り返し、16~32回治療でほぼ改善されるらしい。
医師としての目安のゴールは32回に設定しているそうです。
また、一度治療で改善してしまえば脳が働きを覚えるので再発などはなく元に戻ることはないそうです。
例えば治療途中で改善するまでの間に期間が空いたり、途中で止めてしまっていて、また治療を再開するとなっても同じことで元の状態から良くなっているところからのスタートになるようです。
クリニックにはTMSの機械が7台あるらしく、割と予約が取りやすいそう。
TMS治療の費用
治療法は簡易法という前頭葉に照射する方向と、標準法という、その人に合わせたオーダーメイドの強度で照射する方法の2種類があり値段も変わってきます。
良くなったり悪くなったりを繰り返し治療での改善を体感してくる16回では簡易法で28万超、標準法では35万円超
改善される目安としての32回では簡易法で約49万円、標準法で61万超となっており、とても高額な治療にはなります。
クリニックでは領収書がきちんと出ますので、それを元に確定申告をして税金の還付を受ける必要があります。
TMS治療に対する感想
僕は現時点でTMS治療を受けていないので治療自体への評価はできません。
実際に治療して発達障害やその他の悩みが改善したと感じる方もいらっしゃると思います。
それを前提として僕個人的な印象としては、まず自由診療なので治療費が高すぎると思いました。
改善までに50万~60万の治療費を払って、またおそらくカウンセリングや脳の状態を見るためにQEEG検査も行うことになるでしょう。
総額いくらになるのか恐ろしくなります。それはどんな病に関してもそうなのでTMS治療だけがそうではないですが。
もうひとつは、治療の回数が16回~32回と多いことがネックだと感じました。
1回の治療時間は短いので仕事帰りなどにもできる点は素晴らしいと思いますが、改善まで最短でも1カ月近くかかりますし、例えば毎週末1回で月4回通っても8カ月もかかるのは、すこし大変だと感じました。
とはいえ、最先端の治療だと思いますし、クリニックの『薬治療は依存性が高く薬以外の治療をしている』という理念は素晴らしいと思いました。
QEEG検査を受けようと思ったきっかけ
僕がなぜQEEG検査を受けようと思ったのかのきっかけですが
仕事でのミスがとても多く感じるようになったことです。
- 頼まれていた書類を完璧にやったつもりが毎回抜けを指摘される。
- 仕事で必要なものを忘れることがある。
- 仕事で頼まれていたことを忘れることがある。
- 理解したつもりで返事はするが、よく理解できていない。
- 1つのことに集中力は発揮できるが2つ以上のマルチタスクが苦手。
- コミュニケーションが苦手で特定の人以外には自分から、なかなか話しかけづらい。
- 何に対しても興味がないことを指摘される。
- 運転中、信号や歩行者を見逃しそうになる。ブレーキが遅れる。
- 何度も行ったことがある道を覚えきれない。(方向音痴)
- 仕事に行くことが物凄くストレスに感じるようになった。
- 仕事でミスや段取りが悪いと焦ってパニックになる。
- 飲み会などには極力いきたくない。
なんで言われてたことができていないんだろう。なんでこんなミスをするんだろう。他の人と何か違う。
と悩むことが増え、段々と仕事に行くのが憂鬱になりました。
発達障害セルフチェックでも当てはまる項目もあり検査を受けようと思いました。
まとめ
僕が実際にQEEG検査を受けてみての感想は、実際にADHD傾向やASD傾向があるグレーゾーンと診断されショックなような、やっぱりそうなのかと内心スッキリしたような感じでした。
脳波のグラフを見せられながら、こういう傾向があり、こういうことが苦手です。と説明を受け納得するところも多かったです。
視覚的に脳の状態を見ることができ、問診だけでの診断ではないところは医師の違いによる誤診などのリスクも少ない検査になっているのかなと思いました。
しかしながら、まだまだ先進的な検査なので実績の面での信憑性に疑念が残ってはいます。
知識がない人に脳波の説明を受けたところで医師からこうですと言われた以上納得せざるを得ないからです。
またTMS治療に関しても、まだ僕自体が治療をしていないので客観的にな意見しか述べれませんが、治療費や治療回数が多いなという印象でした。
薬に依存しない治療は素晴らしいですし、結果的に薬よりも早く改善することができるかもしれませんが、少し敷居が高いように感じました。
僕はとりあえず検査だけを受けて、その後の治療に関しては今日は決断しませんと事前にお伝えしていましたが、判断を仰がれ不本意にTMS治療に踏み切る方が現れないように願います。
検査や治療自体は素晴らしいものだと思います。費用面でもっと受けやすくなって、たくさんの方が気軽に受けられるようになるといいなと思います。ここまで長文でつたない文章でしたが読んでいただきありがとうございました。