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【鉄道業界で働きたい人必見】12年間働いた筆者と考える仕事内容

鉄道業界の仕事ってどんなものがあるの?

鉄道業界と一言で言っても、業種や仕事内容は多岐に渡ります。

パッと思いつくのは車掌さんや、駅長さんでしょうか?

その他にも建築や土木、電力、信号、通信、保守、設計などの現場職や広報、営業などなど

筆者は信号という業種を専門とする施工会社で12年間働いてきました。 

仕事内容としては、ざっくり言うと鉄道沿線に設備や機器を取り付けて、ケーブルや配線を張って列車が自動で運行できるように工事をしてきました。

皆さんが、よく見る踏切にある遮断機や警報機などの他、分岐点で列車の行先を変える転てつ機、信号機、列車のスピードのなどをコントロールするATSなどなど色んな機械を制御できるように日々仕事していました!

さまざまな職種があるなかで大変だと思う点や楽しいと思う点は共通しているものも多いかと思います。

筆者は業界のなかでも現場系の職種でしたが、その経験をもとに鉄道業界について掘り下げていきたいと思います。

鉄道業界はやめとけ!オススメしない理由とは?

勤務時間が不規則で生活リズムが狂う

列車は日中に運行して夜間は運行していませんので、現場で作業する職種では夜にしかできない仕事があり、どうしても夜勤が発生します。

筆者が働いていた会社では夜勤も多く、閑散期は夜勤明けで休めたりするのですが、繁忙期は昼勤も夜勤も連続勤務でした。

8時~18時頃まで仕事をして、夜勤が始まるまで仮眠をして、22時~7時まで夜勤。また少し仮眠をして8時から昼勤...

忙しいときは1週間ずーっと昼夜昼夜、それが何カ月間か続くこともありました。

人間、こわいもので、それが当たり前かのように慣れてくるのですが、やはり睡眠は大事です。夜勤が多い鉄道業界は体を壊してしまうこともあるかもしれません。

筆者はこの生活リズムを定年まで続ける自身がありませんでした。

労災や事故が絶えない

筆者が働いていた職種では主に4つの大きな事故のカテゴリーがありました。

触車事故

昼間の列車が運行しているなかでの仕事では、手を伸ばせば轢かれるくらいの距離感で仕事をします。

列車にはねられないように、運行ダイヤを携行して、列車を常に来ないか監視する人員を配置して作業していくのですが、

作業に夢中になって列車が来ているのに気付かない、監視する人がダイヤを見間違えた、遅延などでダイヤが乱れていつ列車が来るかわからないなど、さまざまなケースで列車にはねられる方が毎年おられます。

それだけ怪我や最悪の事態と隣合せの仕事です。

墜落事故

電力や信号という職種では柱に昇って、列車や設備に電気を供給する架線や、信号機などの設備を取り付けたり、交換したりメンテナンスをする必要があります。

胴綱(安全帯)やフルハーネスという墜落制止用器具を着用し、万が一墜落しそうになっても落ちないような状態で作業をしていくのですが、

作業中は柱の上でも色んな体勢になって重いものを取り付けたり配線作業をしたり移動したりしていくので、まさに命の綱であるフックをその都度外して掛け替えたりしないといけないこともあり、

フックが上手くかかっていない状態で体重をかけてしまった、撤去するものにフックがかかっていて撤去品ごと落ちてしまった、脚立作業でバランスを崩して転倒した。などさまざまなケースで何メートルも下の地面にたたきつけられるという痛ましい事故が多いです。

感電事故

電力系の現場では6,600ボルト~20,000ボルトなどの高圧、特別高圧の電気を扱います。

筆者は信号系の現場で、主に100~200ボルトの弱電がメインでしたが、配線がショートしてバチバチっと光ったり、電気が来ている端子に触れてビリビリ来ることもありました。

とくに雨の日の現場で手や体が濡れていると感電しやすくなります。

また、ユニックというクレーン車や、柱を建てる建柱車などが架線の離隔距離(2メートル)以上クレーンの先端が近づいてしまうと直接架線に触れていなくても感電してしまいます。

高圧の電気が地上でクレーンを操作している作業員に流れて感電してしまうのです。

そうならないために停電などの届け出を申請して安全に作業していくわけですが、停電していない活線と停電している線を間違えた、などさまざまなケースで感電することがあります。

交通事故

夜勤が多い仕事なので、睡眠が十分に取れず疲労が残った状態で運転することが多々あります。

また現場も鉄道の仕事ということもあり、色んな駅や線路に行くことになり長距離運転になることが多いです。

現場でヘトヘトになった帰り路、夜勤の移動中など、疲労で眠くなることがあるかもしれません。

筆者は夜勤が続いた現場の帰りなど、信号待ちで一瞬寝落ちてしまうこともあり、とても怖いと思いました。

また、中型や大型のクレーン車やバケット車、トラックなども運転することがあるので、

慣れていないと、高さ制限のある高架下にぶつかってしまったり、内輪差で曲がりきれないなどの事故に繋がるかもしれません。

とくに初めて行く現場などはナビを見ながらなど注意が散漫になるため危ないです。

鉄道業界は交通事故が多い体感でした。

精神的プレッシャーがすごい

鉄道の仕事は交通インフラということもあり、小さなミスが命取りになるようなとてもシビアな仕事です。

なぜなら、ひとつの配線ミスなどで列車を止めてしまうかもしれませんし、脱線事故を起こしてたくさんの人が不幸になってしまうかもしれません。

また、夜勤では列車が止まっている時間帯に、たくさんの配線を切り替えたり、設備を取り替えたり、線路自体を動かして駅そのものを昨日とは全く違う形にしてしまうなど、一晩のうちに非常にたくさんの事をしなければなりません。

もちろん、取り替えたあとには、ちゃんと機械が動作して、列車が安全に運行できるかの機能試験をきちんとしなければなりません。

常に時間との勝負なのです。

始発から列車が動きません!なんてことになったら大惨事ですよね。

なので鉄道業界で働く人たちは常に時間に迫られ、ミスができないプレッシャーのなか仕事をすることになり、精神的にきついです。

肉体的にきつい(健康に悪い)

鉄道の現場はとにかく肉体的にきついです。

何百メートルも重いケーブルを何本も敷設したり、ケーブルを収納するトラフというコンクリート製の管を何百メートルも敷設したり、

大型の何百㎏もある大きい機器を現場に据付したり、機器や柱も土台となる基礎の型枠を組んでコンクリートを練ったりしないといけません。

柱や基礎を打設するためには2~3メートル四方も穴を掘らないといけません。

とにかく何をするにも体力勝負な仕事が多いです。

それも、夏は直射日光が当たる炎天下のなか、レールやバラスト(砕石)、防音壁の輻射熱を受け体感温度は40度を優に超えるため水分はいくら補給しても汗で出ていきます。

冬は配線作業がきついです。手がかじかんで動きにくくなりますし、夜間は氷点下まで下がることも珍しくありません。

また、台風や警報級の大雨ではないかぎり雨や雪でも外で仕事もあるので、天候に左右されるのはとてもきついです。

またトンネルの真っ暗ななかでの作業や、砂埃やカビ、粉塵などが多い環境やなど健康面に悪そうな場面での仕事もあります。

鉄道業界で働いて良かった!と思った瞬間は?

形に残る仕事で誰にでも誇れる

よくコマーシャルなどで『地図に残る仕事』なんて聞きますが、鉄道業界もそのひとつです。

新しくできる駅にイチから携わったり、線路の延線などで区間を担当したりすると、思わず俺ここの担当だったんだよ。なんて誇らしげに話してしまう人も多いです。

筆者もたくさんの工事に携わらせてもらい、新幹線工事の責任者として区間を担当したときは、何もなかった場所から多くの人が利用するものを作り上げたんだと誇らしげな気持ちになりました。

上手くいったときの達成感

上記でも書いてきましたが、ミスの許されないとても難しい仕事なので悩んで、落ち込むことも何度もありますが、

ひとつの現場を責任者として任され、その仕事が問題やハプニングがたくさんありつつも、最終的に上手くいって無事故で現場を終わらせることができたときの達成感はとてつもないです。

鉄道業界で働く人たちは、この瞬間があるからこそきついことがあっても頑張れているのかもしれません。

筆者の周りにも、そういう方たちが多かった印象があります。

たくさんの人たちと関われる

鉄道業界は、その規模の大きさや現場が広範囲なことから、たくさんのその土地ごとの何社もの協力会社の方たちと仕事をしていくことになります。

職人肌な人や、ヤクザみたいや人、クセが強い人達がたくさんいますが、一緒に現場を進めていくことで仲良くなることも多いでしょう。

昼休憩に一緒にご飯を食べに行ったり、夜は飲みに連れていってもらったり、現場で冗談を言い合って笑い合ったり。

そういう瞬間に、あぁこの仕事楽しいな!やってて良かったな~なんて思うこともあるかと思います。

筆者は現場に行って業者さんと一緒に仕事するのが大好きでした。その時間があったからこそ、仕事を続けていく原動力になったと思います。

いろんな場所(現場)に行けて楽しい

鉄道は日本全国いろんなところにありますよね?ということは、それだけ色々なところに現場があるということです。

大きなプロジェクトなどで何カ月間か、もしくは何年か出張や転勤を命じられることも多いと思います。

もちろん仕事で全く知らない土地で関係を築くのは大変ですが、仕事が終わった後に飲みに行ったり、休みの日は観光したり、仕事じゃないといけないところに会社のお金で泊まれるって思うと結構楽しいです。

仲の良い同僚や先輩と出張なんか行ったときは、現場が終わって飲みに行くのが楽しくて、しょうがありませんでした。

鉄道業界に向いている人はどんな人?

鉄道業界は交通インフラの要となる業界なので、ひとつのミスが列車の遅延や運休などに繋がり、多くのお客様に影響を与えてしまいます。

ささいな事でも疑問に思ったり、質問できると『こうしたら、こうなる』と理解しながら仕事ができるので、ミスを起こすことが少なくなります。

人間誰しもミスは起こすので、一度したミスを振り返って次に注意できる人は鉄道業界に向いていると考えられます。

また、業務上どうしても体力を使う仕事や、配線作業など手先を使う仕事など、両方ができるオールラウンダーが求められがちですが、その人の特性に合った業務を振り当てられると思うので、そこは仕事をしてみて自分がどれが得意なのか考えてもよいかもしれません。

また、ひとりで黙々と仕事をするというよりも、ペアやチームで現場に行くことが多いと思うので、協調性があったり、誰とでも仲良くできるという人は鉄道業界で伸びていくと思います。

鉄道業界は今後どうなる?

筆者が鉄道業界で働きだした頃は残業時間120時間なんてみんな当たり前にやってるような時代で、働けば働くだけ給料がいいなんてある意味いい時代でした。

働き方改革が導入され年間にできる残業時間も厳しくなり、80時間を超えないように業務調整を余儀なくされました。

鉄道業界は夜勤や休日出勤も多いので、結構残業時間をセーブするのは大変なんです。ギリギリ80時間なんてことも少なくはありません。

また、今後は法律の改正などで連続勤務時間なども厳しく規制されると考えられるので、これまでのように日勤をして夜勤、そしてそのまま日勤のような勤務はできなくなっていく可能性があります。

これは鉄道業界からしたら大きな変化になると思います。

また毎年のように労災や事故は絶えず、その度にルールや対策は増えていくので、仕事がやりにくいと感じる場面も増えてくるかもしれません。

しかし、労働時間の規制や、ルールや対策も安全に、健康に仕事をするためのものなので受け入れていくしかありません。

筆者的には仕事だけではなくプライベートの時間が増えて、メリハリができるので、いい変化だと思います。

これからも、色々な変化があると考えられる鉄道業界ですが、きついことも楽しいことも多い稀有な業界だと思います。

この記事が働いてみたい方の参考になればと思います。

いぬまる

このブログでは旅行や観光の記事をメインに、1年3ヶ月に及ぶ妊活や不妊治療のことや、ライブや観劇の感想、使ってみて良かったサービスのこと、ペットのハムスターのことなど日常を書いています。ご訪問していただき、ありがとうございます!

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